似たような文でも、コンマがあるかないかで意味が異なる場合がある。次のような例文を見るとコンマの大事さが分かる。

(1) It’s difficult to be honest.
(2) It’s difficult, to be honest.

これは(1)は「正直であることは難しい」であり、(2)は「正直言って、それは難しい」の意味である。(2)では、to be honest は文全体を修飾する文修飾(=文副詞)である。書き言葉ではコンマの有る無しが明確だが、話し言葉では、コンマの部分は発声の間隔を開けて、そこに区切りがあることを示す必要がある。

同じような成句をつくる語句として、To tell the truth,  To begin with,  Not to mention ….., to be brief,  to judge from,  to make matters worse,  to say nothing of…., to be frank, to speak frankly,  to be sure,  to put in a nutshell,     などがある。(安藤『現代英文法講義』p.213)

これらは通常は、意味上の主語が文中の他の部分の主語と異なることから、独立不定詞(absolute infinitive)と呼ばれる。例えば、(2)の to be honest の主語は自分であるが、(1)ではIt が形式主語として機能している。