英語の発音を学習する場合は、特に母音は日本語の母音との関係をよく覚えていた方がよい。舌の位置がどこにあるか示すものであり、日本語の母音のアイウエオよりも高めか低めかなどを意識するといいようだ。

出典 http://eigoonseigaku.blog.fc2.com/blog-entry-6.html

この図で分かるように、英語の/i:/は日本語の「イ」の発音の位置でよい。beat  /bi:t/ は「ビー」の音でも大丈夫だ。しかし、bit  /bit/  (/bɪt/と記す発音記号体系もある)ならば、日本語の「エ」の音に近い。この場合は「イ」と「エ」の中間にあると生徒には教えた方がいい。最近流行の bitcoin だが、「ベットコイン」と聞こえることが多い。tennis /tenis/も「テネス」と聞こえることが多い。上の母音図では、英語の/i/の音に、一番近いのは日本語の「エ」の音であることを示している。

hot などは、スペルに影響されて、「ホット」と発音してしまう。しかし、/hat/あるいは/hɔt/の音であり、上の母音図を見れば分かるように、日本語の「オ」の位置よりはかなり舌の位置は低い。生徒には「ハット」と発音すると指導した方がいい。ただ、実際の音声を聞くと、「オ」とも「ア」とも聞こえる。生徒はスペリングに影響されて、「オ」と言いがちなのであるから、「ア」と発音すると指導すれば、この両者の中間のような音を出すだろう。

topも発音記号は/tap/あるいは/tɔp/であり、「ア」の音で聞こえることが多い。スペルがaとなる、tapならば、/tæp/であり、舌が前にでて「エ」の音に近くなる。

とにかく、スペルと発音の関係はなかなか一般化することもできないので、日本語の母音の位置との関係で説明してゆくことが、生徒への発音指導の早道のようだ。