2016-02-02
personal と private は意味が似ている。しかし、若干ニュアンスが異なる点がある。private は私的なという意味であり、反対語はpublic である。パブリックされるのは公なことであり、みんなが周知のことになる。しかし、反対の意味のプライベートには「公にされていない」「隠された」という意味がある。confidential という形容詞に意味が近い。
personal という言葉には「隠し事」というニュアンスはない。ただ、personal なことなので、結果として「公にされていない」「隠された」という意味になることがあるが、そうでもない場合も多い。
組織の代表者としてではなくて、自分の意見 personal opinionを表明すれば、例えば「その決定に反対である」と言えば、その意見は公になってしまう。組織や大きな人間の集まりに対する語が personal である。反対語はsocial である。personal の原義に近い語は individual であろう。
ところで、personal computer の意味を考えてみよう。personal computer は個人で所有して個人で使うコンピュータである。であるから、スーパーコンピュータでも個人で所有すれば、personal computer となる。しかし、この言葉、とりわけPCと省略される場合は、別のニュアンスを含むようになった。Webopedia (www.webopedia.com/TERM/P/personal_computer.html)では次のように定義している。
A personal computer (PC) is a small, relatively inexpensive computer designed for an individual user.
このように、コンピュータの商品のある種類を示すようになったのである。昔はマイコンという名前も使われていた。個人で使う手軽なサイズと値段のコンピュータを示す。これには、秘密とか非公式というニュアンスはない。ただ、個人が使うのであるから、結果として、プライベートなものとなり、部外者は中を見るべきではないことになっている。