形容詞句とは形容詞の働きをする句である。形容詞とは名詞を修飾する。形容詞は限定用法では名詞の前に置かれるが、叙述用法では補語としてbe動詞などの後に置かれる。形容詞として単独で使われるときは名詞の前だが、形容詞句として複数の語になるときは、名詞の後ろに置かれる。

the red cat 「赤い猫」ではred は次の名詞を修飾している。
the cat on the sofa  「ソファの上の猫」の意味である。この場合、on the sofa という形容詞句は前の the cat という名詞を修飾している。

副詞だが、副詞は修飾するパターンがたくさんある。文全体を修飾したり、形容詞や他の副詞や動詞を修飾したりする。

The cat was sitting on the sofa in the morning.  「猫は午前中はソファに座っていた」の意味である。on the sofa という副詞句は sitting という動詞を修飾している。また、in the morning という副詞句はこの文全体を修飾していると考えられる。

通常は前置詞句が形容詞句か副詞句か迷うことはない。前後左右の文脈で解釈できるのだ。しかし、以下のような両方の解釈ができる場合がある。店員と顧客の会話である。(引用は佐藤ヒロシ『五文型の底力』p.34 プレイス社からである。)

(In clothes shop)

Customer: Can I try on that blue suit in the window?

Clerk: No, sir.  You’ll have to use the dressing room like everyone else.

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顧客はin the window を形容詞句ととらえてthat blue suit を修飾する、つまり「ショーウインドウの中にある青い背広」と解釈したのである。しかし、店員は副詞句ととらえてtry on という動詞を修飾する副詞句、つまり「ショーウインドウの中で試着をする」と解釈したのである。実際にはこんな間違いは起こるわけはなくて、これはジョークである。

要は、形容詞句と副詞句では解釈の違いがある。それぞれを適切に理解するためには、基礎文法の力が必要だということを示しているのだ。