2015-10-02

昨日の授業で … and felt stressed by what they considered to be the “sabotage” of their carefully worked-out schedules. (彼らが丹念に計画したスケジュールに対してのサボタージュと考えられる行為にストレスを感じていた)という英文を読んでいた。学生たちはsabotage という単語を知らなかった。それで「日本語でサボタージュの意味だよ」と言ってもきょとんとしている。日本語の「サボタージュ」という語が死語になっているようだ。そこで「サボる」という語はこれから由来すると説明したら学生たちはビックリしていた。そんなことで、今日はサボるという語の起源を説明する。

フランス語でsabot (木の靴)という語がある。発音は「サボ」である。木の靴は痛そうである。私はあまり履きたくない。下の写真を見てほしい。何だか足が腫れ上がりそうである。とにかく、農民や労働者の履き物であった。重労働の時などに足を守る役割をする。

この語からフランス語のsaboter という語が生まれた。「仕事をぞんざいにする」とか「妨害工作をする」という意味である。オランダで木の靴を機織り機の中に投げ入れて機械をこわして仕事を妨害したこととか、木の靴を履いた労働者の仕事ぶりがひどいので杜撰な仕事を意味するようになった、とかいろいろな説があるが、とにかく saboter は「仕事を妨害する、手抜き仕事をする。破壊活動をする。」の意味になった。

これが英語に取り入れられて、sabotage  となったのだ。一時期は「サボタージュ」という語は日常生活でも頻繁に使われていた。大正時代の労働争議の時などに、ストライキや怠業を示すサボタージという語はよく使われた。この時代は労働争議は盛んだったのだ。平成の時代になるとストライキや労働争議は希になってきた。それと共に、サボタージュという語が死語化していく。

この省略形の「サボる」が使われるようになったが、現在では、仕事を怠けるという意味で使われる。現在では学生が授業を休むことをサボるという。学生の中で頻繁に使われる語である。

photo credit: Orange Clogs via photopin (license)
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