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更新日(2017年05月29日)

不定冠詞

冠詞には、a/an (不定冠詞)、the (冠詞)と何も付かない場合(ゼロ冠詞)の3つがあります。ここでは、不定冠詞を取り上げます。

不定冠詞

☛定冠詞が名詞についている場合と比較して、不定冠詞a/anが名詞についた場合は、まだ実体として明らかになっていないというニュアンスがあります。概念だけが存在している段階だと考えてもいいでしょう。
I want to eat an apple.(リンゴを食べたい→どのリンゴかどうか実体はまだ現れない)
I want to eat the apple.(そのリンゴを食べたい→食べたいリンゴの実体はイメージできる)

数えられるかどうか(可算名詞と不可算名詞)

英語では、数えられるか数えられないかで物事を区分けします。この点で日本語とは根本的に異なります。数えられる名詞は普通名詞と呼ばれて単数の時はa(an)がつき、複数の時は複数形になります。数えられない名詞は、物質名詞や抽象名詞であって、不定冠詞が付いたり、複数形になったりすることはありません。辞書には、数えられる名詞はC (=countable)、数えられない名詞はU (=uncountable)という記号が付いています。

同じ名詞でも、ある時は数えられたり、ある時は数えられなかったりします。その時は、意味が異なります。下の例を見ていきましょう。

(a) I have been watching TV all afternoon. (午後はずっとテレビを見ていました)
(b) We bought a new TV. (新しいテレビを買いました)

(a)(b)のどちらも日本語では「テレビ」という表現を使います。(a)では、テレビの受信機自体を眺めていたのではなくて、テレビの番組・内容を見ていたわけです。そのために抽象的な内容を示すので抽象名詞となったので無冠詞となります。 (b)はテレビ受信機という品物を意味する普通名詞ですので、冠詞のaがつきます。

(c) I had an egg this morning.(今朝、卵を食べました)
(d) You have egg on your chin. (あなたのあごには卵がついています)

(e) Look! There’s a chicken over there. (ご覧、あそこに鶏がいます)
(f) I like chicken better than pork. (私は豚肉よりも鶏肉が好きです)

冠詞a(an) のつく名詞は明確な形をもつ単一の個体を表し、冠詞の付かない名詞は、個体としての明確な形や区切りをもたないことを示します。そのような名詞は物質名詞や抽象名詞であると考えられます。ここでは、(c)は一個の卵、(d)は卵としての形の崩れた卵(物質名詞)の一部を示します。(e)は一羽の鶏、(f)は鶏の肉一般を示します。

☛次の(g)では一匹のエビ(普通名詞)、(h)では、エビとしては形の崩れた食べ物としてのエビ(物質名詞)を示しています。(i)では、一台のバス(普通名詞)を示しますが、(j)では、交通手段としてのバス(抽象名詞)を示します。
(g) This is a lobster. (これがエビです)
(h) This is lobster.

(i) A bus is coming. (バスが来ます)
(j) I will go by bus, not by taxi. (バスで行きます、タクシーではありません)

☛ある名詞が本来的に、普通名詞か、物質名詞か、抽象名詞であるのではなくて、その名詞が文中でどのような意味を持つかで冠詞が付いたり付かなかったりするのです。

どのようなときに数えられるか

数えられるかどうかという点ですが、抽象的概念も具体化されると数えられるようになります。some の意味を表します。
(a) Silence is gold, eloquence is silver. (沈黙は金、雄弁は銀)
(b) There was a short silence during the meeting.(会議のときに、短い沈黙があった)

(a)では、沈黙一般を意味していて、限定されていなくて区切りは曖昧ですので冠詞はつきません。(b)では、会議の時の短い間の沈黙で時間が限定されて区切りが明確ですので冠詞aが付きます。

数えられる・数えられない実例

○空間が区切られるかどうかですが、(c)では車の駐車スペースという限られた空間ですが、(d)では無限の広さの宇宙空間です。(c)ではaが付き、(d)にはaが付きません。
(c) Is there a space for his car in the parking lot? (駐車場には彼の車のスペースはありますか)
(d) Japan sent a research satellite into space.(日本は調査衛星を宇宙に送ります)

☛時間が区切られるかどうかですが、(e)では、時間一般を示すのでaは付きません。(f)では相手が東京に住んだ一定の期間を示し、(g)は、一定の時とやはり期間が限定されていますのでaが付きます。

(e) Time flies. (時は飛んでいく、光陰矢の如し)
(f) You lived in Tokyo for a time, didn’t you?(しばらく東京にお住まいでしたね)
(g) You can do one thing at a time.(一度に一つのことしかできません)

☛抽象的か具体的かですが、(h)は言語一般を示しますのでaは付きませんが、(i)は言語の中でも「外国語」という具体的なものを示すので、不定冠詞aが付きます。
(h) Language is the life of the people who use it.(言語とはそれを使う人々の命です)
(i) English is taught as a foreign language in Japan.(英語は日本では外国語として教えられています)

その他の事例:You have been a great help. (君は大いに役立った)、at a distance (やや[=some] 離れたところに)→ in the distance 遠くに、He has a knowledge of Greek. (彼はギリシア語を少々知っている)

具体と抽象の違い

☛同一の名詞に冠詞が付いたり付かなかったりで、具体的か抽象的の意味の差を示します。具体と抽象という視点からどのように名詞自体が異なっているか下の例を見ながら考えましょう。
(a) a poem – poetry(一つの詩と詩全体)
(b) a tree – timber(一本の木と木材)
(c) a raindrop – rain(一粒の雨と雨)
(d) a laugh – laughter(一つの笑いと笑い)
(e) a job – work(一つの仕事と労働)
(f) a suitcase – baggage (一つのスーツケースとカバン類)  ☛アメリカのbaggageは、イギリスではluggageと言います。
(g) a machine – machinery (一台の機械と機械類)
(h) a coin, a bill – money
baggage, luggage はもともと複数形の意味を持っている。 

☛単数複数同型の名詞
fish, salmon, carp, sheep, fruit, cattle 一匹一匹を意識することはなくて、まとめて意識するので、同じ形になる。

病名に関する不定冠詞の有無

病名に冠詞をつけるかどうかは色々な微妙な問題があります。ここでは、中川(1999)の説明に従って考えていきましょう。
(a) I have a cold. (風邪をひいている)
(b) I caught (a) cold. (風邪をひいた)

風邪は一つの単位として認識されるかどうかがポイントとなります。一般に風邪ははじまりと終わりがあるので、一つの単位として数えられ、have a coldのように、不定冠詞aが付きます。しかし、(b)のように、風邪をひくは一瞬の瞬間的なことなので、終わりを意識しにくいので、冠詞aが付いたり付かなかったりします。ただしcoldに形容詞が付く場合はaが必要となります。 I caught a bad cold.(たちの悪い風邪にかかった)
I caught a severe cold.(ひどい風邪にかかった)

☛頭痛は何回も起こりいつかは治る、つまり単位として数えられるのでaをつけます。
I have a headache. (頭痛がする)
I will administer aspirin for a headache. (風邪にアスピリンを投薬します)

はじめや終わりが意識しづらいものや一生続くものは数えにくいので冠詞は付かないことが多いのです。ただし、固まりとして意識できれば冠詞aが付きます。
I have cancer. (私は癌患者だ)
I have AIDS.  (私はエイズ患者だ)
I have bad breath. (私の息はくさい)
I have dandruff. (私はふけがひどい)
ただし、流行している病気などは定冠詞theが付くことが多いのです。☛あの、その
I have the flu. (今流行しているあのインフルエンザにかかっている)
He caught the Asian flu from his son. (彼は、今流行しているあのアジア型インフルエンザを息子からうつされた)
He has the plague. (彼は、今流行している例のペストにかかっている)

集合名詞

furnitureはchair, bed table, cabinetなどの一式をまとめて意味するもので、集合名詞といわれます。一式をまとめて意味するので、それゆえに、不定冠詞は付きませんし、*furnitures と複数形にもなりません。
She bought some new furniture for the house. (彼女は家に新しい家具を買った)

On から派生した a の用法

「~につき」という意味でaが使われますが、この場合のaは歴史的には、onという前置詞から発生しました。
twice a week
275 kilometers an hour
We study English three hours a week.

その他

(1) He needs a rest for a day or two.
(2) I think you should go to another doctor and get a second opinion.
(3) A third lady raised her hand and asked a question.
(4) Sound travels 340 meters a second.
(5) An apple a day keeps the doctor away.
(6) A Mr. Smith is waiting to see you.

(7) It’s too good a story to be true.
(8) It was as pleasant a day as I have ever spent.
(9) I have never known as wet a summer.
(10) You can hardly imagine how painful a sight it was.
(11) That’s quite a different matter. That’s a quite different matter.
(12) We live half a mile away from here. We live a half mile away from here.

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