文型とは二つの種類がある。一つは、いわゆる5文型である。他はPalmerやHornby が唱えた動詞型(verb pattern)である。

5文型は文の要素の機能(function)に注目しているのに対して、動詞型は構造(structure)に注目している。例えば、次の文は5文型では、SVOの文型としてひとかたまりになる。しかし、動詞型では、動詞の次に何がくるかで、さらにいっそう細かく分類をしている。

We cannot treasure our friends too much. (動詞のあとに名詞がくる)
I don’t mind walking.    (動名詞)
Most of us like to be flattered. (不定詞)
I hope that rain will soon stop. (that 節)
Nobody knows what another person is thinking. (wh節)
It takes two to make a quarrel. (It という形式主語をとる) [これらの文は佐々木高政『英文構成法』(金子書房)より引用する]

五文型は、英語のほとんど無限に近い文を5つの型に分類している。その5つには分類が難しそうでも、とにかく5つに分類している。中学生や高校生には英語の基本構造を理解させるのに非常に役に立つ考えである。

ところが、大学生などが英作文を行うときには、五文型では粗すぎて使いづらい。やはり動詞の次にどのような要素が来るのか理解していないと文を組み立てられない。その意味では、五文型を理解した上で、次の段階として、PalmerやHornby が唱えた動詞型(verb pattern)があると考えられる。

現在の辞書では、動詞型に基づいて書かれてあり、さらに細かく語彙ごとにとの特有の使い方が示されている。授業では動詞を提示したら辞書を使わせてSVO型で使われる動詞でも次にくる目的語にはどのような要素が可能か。名詞をとったり、動名詞をとったり、不定詞をとったりで、意味がどのように異なるか、を細かく指導すべきである。そして辞書を細かく読んでいくことで動詞の使い方の感覚を覚えていくことが必要だ。

 

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