/n/の音

英語の/n/の音は、舌先と歯茎で閉鎖が作られる。ところが日本語の「ナ行」の音は歯音である。つまり日本語の場合は舌先がより下の位置にある。語頭の/n/は、舌先を歯茎にしっかりとつけて舌全体に力を込めて「ンヌ」となるような気持ちで発音するとよい。

(これは英語の/t/の音と、日本語の「タ」「テ」「ト」の違いとも似ている。英語では歯茎音だが、日本語は歯音である。さらに、英語の/t/は、そり舌音ほどではないが舌先が上に向く。そして、強勢の有る母音の前では、有気音となるために、日本語とはかなり異なる。top, till, team などの語で練習をすること)

英語の/n/音を日本語の/n/音で用いても大丈夫と言われているが、/ni/は日本語の「ニ」とは音が異なる。knit (/nit/) を例にとる。英語の/i/に該当する日本語の「イ」では、舌の位置がかなり高い。よって硬口蓋化する。

語末の/n/は、pin や man の場合は舌先と歯茎でしっかりと閉鎖を作る必要がある。日本語の「ン」は緩い閉鎖が舌の後ろの部分と口蓋垂の間にできる音である。 なお、語尾の/n/は唇を閉じると/m/の音になるので注意する必要がある。

/ŋ/の音

/ŋ/の音は舌の後ろの部分と軟口蓋とで閉鎖が作られてる。ここまでの/k/,/g/と同じだが、口蓋垂が下がって呼気は鼻に抜ける。

「リンゴ」という時に、「リン」で止めた音と考えられる。ring, sing などは「ング」のように「グ」をつけないようにする。singer, bringing は/ŋ/の音になる。しかし、long-longer-longest では、/g/の音が出てくる。

photo credit: jus10h Ionie 06/02/2016 #23 via photopin (license)
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