2016-02-19
「一匹のネズミがいる」というような文を英訳する時には、ちょっと気をつける必要がある。それは英語圏では、mouse / rat が区別されているからだ。mouse は「ハツカネズミ」と訳されるべきで小型のネズミの総称である。鳴き声はsqueak である。Mickey Mouse のように可愛いというイメージがある。
それに対して、rat は「ドブネズミ」は嫌われ者である。mouse よりも身体は大きくてしっぽが長いのが特徴である。病気を広める有害動物と考えられている。鳴き声は同じく、squeak である。嫌われるイメージがあり、次のような熟語で使われる。
like rats leaving a sinking ship 沈没船から逃げ出すネズミのように
rat race 死にものぐるいの生存競争
「サル」も英訳する時は気をつける必要がある。小型で尾の長いサルは monkey である。それに対して、大型で尾の短いものはape である。それらは、gorilla, chimpanzee, orangutan などである。ape は知能も高い。『猿の惑星』は、Planet of the Apes にでてくるサルは知能も高い、人類よりも知能が高いのである。primate 「霊長類」とも重なる。「ヒヒ」はbaboonであり、霊長類だが、「サル」とは言いづらい。
まとめると、英語でape と言われるが、日本語で「サル」と言うのに該当するのは、チンパンジーとオランウータンである。ゴリラとヒヒは該当しないように思える。
ニホンザルだが知能も高くて尾も短くて、典型的な ape だと思うが、英語の訳は Japanese macaque となっている。 このあたり動物学に詳しい人から教えてもらいたい。

類人猿がape、他の霊長類がmonkeyです。
類人猿はゴリラ、チンパンジー、ボノボ、オランウータン、テナガザルの仲間です。
ニホンザルの尾が短いのは寒冷な日本に適応した結果だと思います。末端は冷えやすいので寒冷な地域の動物は尾や耳の短い種類が多いです。ニホンザルとごく近い種であるアカゲザルはもう少し立派なしっぽを生やしています。
そういえば類人猿の尾が短いのは何故なんでしょうね。
猿ファンさんへ
寒いところに住む動物は熱が奪われないように工夫をしています。身体を大きくすると、体の表面積は二乗で増えるが、体重は三乗で増えていくので、熱を溜めるには効率がよくなります。北の国に住む人間や動物はおおむね大きいですね。ロシア人やシロクマは身体が大きく丸くなって熱放散を減らすようになっています。しっぽもそこから熱が発散するので短くしているのだと思います。でも、類人猿のしっぽが短いのは、どうしてですか?これは分かりません。