家内から「赤いピーマンを買ってきて」と言われた。ふと「赤いピーマン」を英語で何と言うのか考えてみた。ピーマンはgreen pepper である。よって*red green pepper となるのかな?

私はピーマンのコーナーで赤いピーマンがなかったので、赤いパプリカを買った。家内に見せたらOKだった。家内は paprika を「赤いピーマン」と認識しているようだ。

気になったので調べてみた。すると、ピーマンは普通は緑色であるが、熟すると赤色になることが分かった。よって、緑のピーマンと赤いピーマンは同じ野菜であり、違いは熟成度だけである。

Meditations / Pixabay

ピーマンで未熟な緑のままならば、green pepper になり、黄色や赤色まで熟したものならば、yellow pepper, red pepper になる。私が最初に考えた*red green pepper という言い方は使わないようだ。

ただ、red pepper で辞書を引くと、「トウガラシ」と出てくる。 であるから、red pepper と言われたら、「トウガラシ」の場合と「赤いピーマン」の場合の二通りがあるので、どちらを意味するか相手に確認した方がよい。

パプリカはピーマンやトウガラシと品種は似ているが、異なる野菜と考えていいだろう。ネットで調べてみたら「パプリカとピーマンは同じですか」という質問があって、回答欄では「異なる品種だ」とあった。

ただ、赤いパプリカや黄色のパプリカは同じ野菜だ。熟し具合によって色が異なるだけだ。

いずれにしても、私の家内は「赤いピーマン」イコール「赤いパプリカ」という認識でいたが、これは間違った認識のようだ。

ところで、google 画像検索で「red pepper 」と検索すると、そこに出てきた画像は、赤いパプリカ、赤いピーマン、赤いトウガラシなど、すべてが現れる。英語圏の人が red pepper と聞くとこれらすべてが該当するようだ。

コショウもpepper と言うことを思い出した。コショウ、トウガラシ、ピーマン、パプリカ、これらは同じ野菜か別物か。うーん、悩ましい。学生から質問が出たら、自分は間違いなく答えに窮するな。


(追記 2017-07-02)
昨日、スーパーに行った。すると「カラーピーマン」という文字を見つけた。この商品名を付けた人の考えは、ピーマンとは緑色である。赤や橙や黄色は異端児なので、わざわざ、「カラー」と付けたようだ。英語の訳すときは、どう訳すのか。

カラーピーマン

あえて訳せば、colored pepper となるだろう。しかし、英語圏では、ピーマンを green pepper と呼んでわざわざgreen を付けているのは、この緑色がデフォルトではないことを示すのだろう。つまり、colored pepper と訳すると、その中には通常のピーマンも含まれる。

つまり、green pepper, red pepper, yellow pepper などは、同じレベルだと考えられる。赤や黄色や橙は異端児ではないのだ。すると、「カラーピーマン」は、red, yellow and orange-colored pepper と訳したい。なお、橙色のピーマンを、*orange pepper と訳すと、オレンジという果物とピーマンを掛け合わせてできた新品種という誤解が生じるから、ここは orange-colored pepper とするしかないだろう。