昔、英会話学校に行っていたときに、会話の中で、ある人が日本には「白痴美人」という言葉があるが、英語圏ではそのような言葉はあるか、という質問になった。すると日本人受講者の説明を聞いて、アメリカ人の先生(白人女性)が「英語にも該当する語がある、それは、dumb blonde という言葉だ」とおっしゃった。

その時の説明では、英語圏では、blonde の女性は知的でないというステレオタイプがあるそうだ。その典型がマリリンモンロー (Marilyn Monroe)だそうだ。アメリカ社会では、blonde が男性に好まれる。そして、blonde の女性は自然と男性が寄ってくるので、男性を引き付けるために、自分の知性を磨く必要がないので、どうしても知性磨きには、怠けてしまう。

そんな説明だった。なるほど、ある程度は自分も納得できる。最近は日本でも、男女とも茶髪が目立つが、自分の印象は「チャラチャラ」していると感じてしまう。自分は、黒髪の方に知性と真面目さを感じてしまう。

blonde に反対する言葉は brunetteである。これは黒髪か濃茶色の髪である。この二つの髪の色の社会的な違いはしばしば研究の対象になっている。Wikipedia の”Blonde stereotype”を読むと次のようなことが書かれてあった。

(1)年齢や体形などが同じで髪の色だけが異なる(blonde, brunette)ウエイトレス2名で実験的すると、blonde のウエイトレスの方がたくさんチップをもらうという結果があった。
(2)ロンドンのナイトクラブの実験では、男性は blonde の女性により多く話し掛けるそうだ。
(3)経理事務の仕事への応募者の写真を複数見せると、選ぶ人は、brunette の女性がより能力が高いと見なすそうだ。

これに対する反証となる研究もいくつかあるそうだ。しかし、男性優位の白人社会では、性的なパートナーとしてはblonde の女性の方が選ばれやすく、brunetteの女性の方が仕事では有能と見なされるようだ。

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