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2014-09-03

ヨーロッパの言語で書かれた本を読んでいると、例えば、英語だが、大文字と小文字の両者がある。なぜ2つがあるのか不思議に思っていたが、両者の起源について調べてみることにした。ネットで調べると、当初は大文字だけであった。しかし、早く書くために草書体がうまれたという。それが小文字へと発達していった。この小文字と大文字の二つの文字の区別は今後も続いていくだろうか。

現在では、手書きを書くことが少なくなった。日本語でさえもパソコンや携帯で打ち込むことが多くなった。英語のネットのメッセージを見ると、すべて小文字で記してある文も結構ある。手書きで早く書くために生まれた文字として小文字があるならば、手書きで書かれることが少なくなった現代では、その存在の基盤が薄らいでいる。

ここで、どちらが見やすいか読みやすいか考えてみたい。まず実例を見てみる。surprising, SURPRISING, Surprising のように3種類を想定してみる。小文字だけ、大文字だけで書かれた語のどちらが読みやすいか。答えとしては、それは同じ程度の読みやすさであるということになろう。私自身は小文字で書かれた文の方が読みやすいが、これは慣れの問題だと思う。最後の小文字と大文字の混用した語や文はたしかに読みやすい。ドイツ語では、名詞は大文字で記すので、名詞だけを拾い読みして素早く内容の見当をつけることができる。

しかし、問題は現代はネットの時代であるということだ。キーの数は変わらない現状では、大文字にする時は、Shift キーも同時に押して文字を打ち込むので手の動きがやや面倒くさい。タブレットや携帯で打ち込む時はもっと面倒くさい。結局はネットで使われることを考えると、小文字だけの文章へと将来は移行していくと思われる。

英語では、大文字の効用は、文の先頭がどこであるか教えてくれること、そして、その語が固有名詞であることを教えてくれることである。また内容を強調する作用もある。文の先頭は一目瞭然で特に印象づける必要はないだろう。しかし、固有名詞であることを大文字が示してくれるのはありがたい。The White House と the white house (その白い家)は大文字で固有名詞であることを示している。しかし、固有名詞の時は、下線を引くか、先頭の語を重なるかして(例、the wwhite hhouse)、示すことも可能である。内容を強調するのは、下線か太文字でも可能である。

古代エジプトのヒエログリフは王の名を示す時は、カルトゥーシュ (cartouche)と呼ばれる曲線で囲んだ。ネットの普及で英語が小文字だけで記されるようになったら、固有名詞を示すのに、何かカルトゥーシュのような記号が使われるかもしれない。

各言語とも人名の数は山ほどあって、慣れない外国人などは人名か他の語かと迷ってしまう。音声で聴いている場合は特に迷ってしまう。この点で英語のように最初にMr, Ms を付けると、次は人名が来るのだとこころの準備ができる。フランス語も同じで、ムッシュとかマダームなどは人名であることを示す記号の働きをする。この点で、日本語の敬称は問題である。山田くん、やまださん、とあって人名の最後に「くん」や「さん」がつく。日本語に慣れている人ならば問題ないだろうが、外国人はこころの準備ができないまま、よく分からなかった言葉の最後に「くん」と聞いて今聴いた語は人名だったのだと知る。

今後はたくさんの外国人が日本にやってくる。そして日本語でも会話をするようになる。スミス君、ジョーンズさん、などはまだ見当がつく。しかし、会話の中で、長い人名が、例えば、「チャンドリカ・バンダラナイケ・クマーラトゥンガ さん」と発話するよりも、「さん チャンドリカ・バンダラナイケ・クマーラトゥンガ」として「さん」いう言葉を聴いて次に来るのは人名だなと聞き手のこころの準備をさせるのがいいだろう。

多文化の共生時代では、どの呼称の方法が実践的であるか、試行錯誤が繰り返されながら決まっていくだろう。100年後は「山田君」ではなくて、「君山田」となるかもしれない。

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