舌や唇などの調音器官が緊張して発音される母音は緊張母音(tense vowel)という。→ /i:/,/u:/

あまり緊張しないで発音される母音は弛緩母音(lax vowel)という。→ /I/, /U/

(参考)

Daniel Jones は、bit と beat の違いを長さ(quantity)の差として [bit] [bi:t] と書き表した。

一方の、Samuel Kenyon や Thomas Knott は、これを質(quality)の差とし、[bIt]と書き表した。bitをlax vowel、beat と tense vowel と呼んでいる。

長い母音は緊張度が高く、短い母音は低いとされている。


/U/は、緩んだ感じの(弛緩母音)多少唇の丸めを伴った母音である。日本語の「オ」は唇の丸みがあるので、/U/はこの音に似ている。

book, took, wool, put, bush, full

なお、wool は/wUl/であるが、次に来る子音が有声子音であるために長く伸ばしたように聞こえる。そのために、「ウル」ではなくて、「ウール」と聞こえる。

次に短めの母音になるとき(次に無声の子音)と長めの母音になるとき(有声の子音)のペアを示す。

foot/hood,  cook/could, putting/pudding

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