2014-09-27
長男がアメリカへの7週間ほどの研修から帰ってきた。大変有益な経験で、英語の大切さを痛感したと言う。たしかに、世界中から若者がアメリカに集まる。そして新しい科学技術、イノベーションがそこから生まれる。勉強熱心な若者はアメリカでこそ最高水準の学問を学べると考え、そのためには卓越した英語力が必要と考えるようになってくる。その傾向には、ますます加速度がついてきている。
何か情報を得るためにネットを使うことが常識化した時代になってきた。自分がよく参照するのはWikipediaであるが、日本語版は英語版の約5分の1の規模であるという。つまり英語では日本語の5倍の量の情報を得られる。
iPodやiPhoneを使って、iTunes U という世界の各大学の講義を無料で聴くことができる。エール大学、スタンフォード大学、オックスフォード大学等の大学の講義が聴けるのである。日本の東京大学、京都大学や慶応大学等の講義を聴くことができる。それらの数多くは英語での講義である。これらを聴くことで日本語では得られない情報を得ることができる。
たまたまエール大学のDale Martin 教授による、Introduction to New Testament という講義を聴いてみた。2つほど新情報を得た。聖書ははじめはscrollで書かれていたが、宗教上の論戦のために切り離しcodex といわれる各頁の集合体にして参照しやすいようにしたとか、トーマスの福音書によればイエスにはトーマスという双子の兄弟がいたとの話を教えてもらった。かなりニッチな情報で日本語ではなかなか得られないのかなと思った。
日本語の生き残りはどうなるか。英語という暴風雨が吹き荒れて、各言語を守っていた壁を吹き飛ばし、各地の野心的な若者達を吸い込んでしまう。日本語の世界に残ってくれる若者は何人ぐらいだろうか。しばらく考え込んでしまう。