2016-09-03

摩擦音 fricative は息の通りを狭くして、その狭いところから息を押し出して発音する音である(その狭さがより狭まると破裂音になる)。摩擦音が破裂音と異なる点は、摩擦音は息の続く限り伸ばして発音することができる。しかし、破裂音はすぐに終わってしまう。ここでは、/f/,/v/の摩擦音について考える。

(1)唇と歯で摩擦を作る。無声唇歯摩擦音(むせいしんしまさつおん)/f/ 、有声唇歯摩擦音(ゆうせいしんしまさつおん)/v/がある。

/f/音では、下の唇の奥を前歯で噛むようにするクセをつけないほうがいいと言われる。このクセがつくと他の音から/f/に移ったり、/f/から次の音への移行が滑らかにいかない。

/v/音では、有声の音が出る。

(2)日本語の「フ」「ブ」は唇を両方閉じて摩擦音とするのであり、無声は[ɸ]の記号が使われ、有声は[β]の音である。日本人は/f/,/v/の代わりに[ɸ], [β]の音を出すので注意する必要がある。