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2016-06-21

主格補語や目的格補語の主たる役目は属性を表すことである。(ここから、Quirk の Comprehensive Grammar, pp.741-743 の説明による)

この場合には属性(attribute)には、ふたつのタイプに分類できる。それは、誰・何であるか示す(identification)タイプと 性質を示す(characterization)タイプである。

(A) 誰・何であるか示す(identification)タイプの例文として以下にいくつか挙げる。

Kelvin is my brother.
Brenda became their accountant.
His response to the reprimand seemed a major reason for this dismissal.
Henry’s room is the one next to mine.

(B) 性質を示す(characterization)タイプの例文として以下にいくつか挙げる。

Dwight is an honest man.
Martha was a good student.
The operation seemed a success.
The soup is too hot.
Daniel remains helpful.

(A)では、主語と補語を逆に入れ替えても文が成立する。(B)では成り立たない。

 My brother is Kelvin
 Their accountant became Brenda. (この文は、はたして成立するのか、やや疑問だが?)
 A major reason for this dismissal seemed his response to the reprimand
 The one next to mine is Henry’s room.

(B)の場合は、以下のように倒置は成立しない。
*An honest man is Dwight.
* A good student was Martha.

このことは、要は(A)では、主語と補語が意味する範囲が一致するのに対して、(B)では、補語が意味する範囲が主語の意味範囲より広いので一致しないということになろう。

補語の位置に形容詞が来るのは、(B) 性質を示す(characterization)の場合だけである。

The soup is too hot.
Daniel remains helpful. 
確かにそうだ、この二つの例文を見れば一目瞭然だ。

誰・何であるか示す(identification)場合は、限定された・限定詞のつく句(definite noun phrases) が補語の位置に来ることが多いが、性質を示す(characterization)の場合は、限定されない名詞句(indefinite noun phrases)が多い。

(A)の場合
Henry’s room is the one next to mine.

(B)の場合
Martha was a good student.
The operation seemed a success.

目的語と目的格補語の倒置

主語と主格補語の倒置は(A)の場合だけ可能であった。しかし、目的語と目的格補語の場合は(A)でも(B)でも倒置は不可能である。

(A)
They called their daughter Edna.   *They called Edna their daughter.
She considered Susan her role model.
We made John our representative.

(B)
The teacher called their daughter a good student.
I considered the operation a success.
She made them comfortable.

選択的に省略された限定詞がついた誰・何であるか示す(identification)タイプ(A)の倒置

Joan is president of the company.  という文は可能である。これは役職を示すthe であるから。しかしこの倒置は不可能である。*President of the company is Joan.

しかし、定冠詞がついたならば倒置は可能である。

Joan is the president of the company.
The president of the company is Joan.


A Comprehensive Grammar of the English Language は面白い知見にあふれている。訳本の試みはないのか。厚すぎて研究者の10年間ぐらいが翻訳にとられてしまうから、どなたも恐れているのだろう。 

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