2016-04-27

SV(第1文型)ならば、生徒が見極めるのは簡単である。要素は2つだけであるから、すぐに第1文型であると答えやすい。次に、S+V+X と3つの要素が並んでいたら、SVO(第3文型)かSVC(第2文型)のどちらかである。しかし、生徒はどちらであるか迷うことがある。そのときは、生徒には、S=X ならば、SVC(第2文型)であり、S≠Xならば、SVO(第3文型)と説明すれば、それで理解してくれる。

次に、他動詞と自動詞の違いの説明をおこなう。これは目的語(O)を取るか、取らないかで決まってくる。目的語を取るならば他動詞で、目的語を取らないならば自動詞である。このような説明である。

自動詞は他者を必要とせずに自らだけで動詞の機能を果たすから自動詞という、とか、他動詞は他者が必要とする動詞であるから他動詞だ、という説明をしたときは、生徒から次のような質問を受ける可能性がある。「不完全自動詞 look を用いた次の例文 He looks pale. では、補語 pale を必要とするので、やはり他者が必要でないか。それならば、look は他動詞という範疇に入れたほうがいいのではないか」という質問である。

「自動詞」という表現は多くの場合に誤解を招く。補語でも立派な他者ではないかと言われそうだ。他動詞は英語では、transitive verb である。transitive は「移行する、推移する」が原義で、動詞から目的語に動きが移行するから他動詞と訳し、自動詞 intransitive verb のintransitive は「移行しない、推移しない」であるから非他動詞=自動詞と訳したのである。でも、SVC型でも動詞から補語へと動きが移行するのではないか、と生徒は質問をしそうだ。

私見だが、SV型の動詞とSVC型の動詞を「自動詞」として一緒に分類すると分かりにくくなると思う。たとえば、SV型の動詞は「単独動詞」、SVC型の動詞は「連結動詞」というような用語を用いたならば、生徒の誤解は少なくなるのではないか。

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