2016-03-11

アメリカ英語の場合であるが、母音の発声される時の舌の位置の高さから、次のような順序で並んでいると考えられる。舌が高いから低い位置へと母音を並べる。

/iː/→/i/→/I/→/e/ 

/iː/は eat, ease, eel, bee, tea, she などに現れる音である。これらは母音の上に強勢がある。この音は強勢のない音節では、/i/ の音として現れる。たとえば、keenly では、ly の箇所は強勢がおかれていないので、/i/ の音になる。

さて、/I/であるが、sick, pick, bit, sit, pin などに現れる音である。ところで/iː/と/I/の対比が重要である。参考書などでは両者を連続して読み上げて違いを感じるようにすることが勧められる。

sheep  ship
beat    bit
seat    sit
feel    fill

上記の組み合わせでは、左側は母音は舌の位置が高くて狭い、しかし右側は舌の位置が低くなり口が広くなる。/iː/では、「イー」ではなくて、「イィ」と二つ重なるように発音する。/I/では舌の位置が低くなり/e/の位置に近づくので、あえて言えば「エ」の音に近くなる。

強引に言えば、sheep は「シィプ」となり、ship は「セプ」となるような心持で発音するといいだろう。

/e/は bed, said, pen などで使われる音である。これはイギリス英語とアメリカ英語ではやや音色が異なる。アメリカ英語では舌が少し低くなるので/ɛ/が使われることもある。つまりbed の発音記号はイギリス英語では、/bed/であり、アメリカ英語では、/bɛd/とするのである。しかし、学習者がこのあたりの違いを知ることは細かすぎるので、参考書なのでは、両方とも /e/ という記号を使っている場合が多い。

photo credit: Scotland sheep via photopin (license)
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