2015-11-06

年号の表現する言い方だが、どのようにするのか迷う次第である。学生にどのように教えたらいいのか?つまり新しい非キリスト教的な表現方法か、それとも伝統的なキリスト教的な表現のどちらを教えるかである。

紀元前は今までは BC と教えてきた。そしてそれはキリストの誕生の前という意味で、Before Christ であると教えてきた。さらに紀元を示すのはADを使う、もともとはラテン語のAnno Domini から由来すると教えてきたのだ。

それは最近は問題になり始めているとの話を8月12日の記事で紹介した。要は、キリスト教徒でもない人々がたくさんいる国際社会で年号という重要な数字をキリスト教に由来する出来事に関連づけていいのかという話だ。

現在では、「紀元前」を意味するには B.C.E. (=Before the Common Era)を使うべきであり、紀元はC.E.(=the Common Era)を使うべきとの考えが広まってきている。ウイズダム英和辞典の第3版を見ると、ADには詳しい説明があるが、CEの説明は素っ気ない。また、CEは「宗教的なニュアンスを取り除いてある新しい用法である」との説明もない。このあたり、次の改訂版で説明が加わることを期待したい。

ところで、英語教員としては、どちらを教えたらいいのか迷うのである。将来は、非宗教的な B.C.E. や C.E. が使われていくだろうと思われる。しかし、この用法を学生に教えるのは早すぎるのか。とにかく、教えるのならば、一つだけ教えたい。あんまり、あれこれと教えると学生は混乱するだろうと思われるからだ。結論的に言うと、現時点(2015年時点)では、伝統的な BC とADという使い方を教えるべきなのだろうな。

ネットで探していたら次のような意見を見つけた。UCLAの先生のようだ。この人は現代はBCEやCEを使うようにすべきとの主張だ。

I have heard every argument. I have read every justification. And I have spent far too much time on Wikipedia changing BCs and ADs back to BCEs and CEs. It is a centuries-old argument that some maintain is integral to one’s identity as a Christian. Despite the rise of science, Christians have used—and many times have insisted upon—the continued use of the labels “AD” and “BC” to designate calendrical years, and thereby portray human history as directly relative to the birth of Jesus of Nazareth. But in our modern world of scientific reason and religious plurality, the battle over whether or not to use the increasingly accepted international scientific standard of BCE (“Before Common Era”) and CE (“Common Era”) has not waned, but rather has intensified. However, it is time for this battle to end; Christians should leave behind the BC/AD labels and adopt the BCE/CE dating system for all calendrical references. (By Robert R. Cargill)

傾聴すべき意見であり、続きを読みたい人は http://www.bibleinterp.com/opeds/why_3530.shtml にアクセスしてほしい。

photo credit: from the tomb via photopin (license)
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