旧情報と新情報(冠詞と代名詞)

冠詞と不定冠詞

新情報と旧情報ですが、新情報は、その名の通り、新たに現れた名詞や予想されない名詞と結びつきます。それに対して、旧情報とはすでに知っていることなので、以前に現れた名詞や予想された名詞と結びつくことが多いのです。つまり、新情報には不定冠詞a/anがつくものが多く、旧情報には定冠詞theがつくものが多いのです。したがって、定冠詞のつく名詞が文頭におかれたり、不定冠詞がつく名詞が文末におかれたりする文は不自然な印象を与えるのです。

代名詞について言えば、新情報としては、a man, a girlとかa bookとして登場してきても、再度、登場してくるときは、heやsheやitなどの代名詞としての形で登場することが普通です。つまり、代名詞は旧情報と結びつくことが多いのです。ですので、代名詞が文末におかれる文は不自然な印象を与えるのです。

*A book is on the desk.
There is a book on the desk. (本が机の上にあります)
The book is on the desk. (その本は机の上にあります)
*I will call up him.

文の主語となる名詞についた不定冠詞

文のはじめは旧情報が望ましいので、(a)のような文は自然です。しかし、不定冠詞で始まる(b)や(c)のような文は不自然となります。
(a) The box was empty. (その箱は空だった)
(b) *A box is empty.
(c) *A teacher is tall.

しかし、不定冠詞がつく名詞が先頭に来るのはすべて不自然とは限りません。総称文と考えられる、A box is a container.(箱は入れ物です)は自然です。つまり、一般的なことを述べた文や抽象的な文となるのは不定冠詞が文頭にきてもおかしくありません。次のような文も自然です。
A hamster is a cute pet. (ハムスターは可愛いペットです)
A book is usually made of paper. (本は通常は紙から作られます)