because, since, asの使い分け

接続詞 because, since, asを考えてみましょう。これらは理由を示す接続詞ですが、使い方が異なります。

as→since→because の順番で理由を示す意味が強くなります。そして、because 節は聞き手が理由を知らない場合が多いので、新情報として、文末に置かれる傾向があります。また、新情報ゆえにbecause節はIt強調文(分裂文)の焦点にもなります。It’s because he said no that I did not take him to the zoo.(彼がnoと言ったので、私は彼を動物園に連れて行かなかった)。

一方のas, sinceは聞き手がすでに理由を知っているときに使います。理由であることをあまり強く主張しない曖昧なニュアンスもあります。旧情報であるので、しばしば文のはじめに置かれます。

なお、as節は後ろに置かれると、「理由」ではなくて、「様態・のように」、「時・するにつれて」をあらわすことが多くなります。

(1) He got tired because he worked hard.
(2) As he worked hard, he got tired.
(3) Since we’re friends, we’ll walk together.
(4) I saw Taro as I was getting off the bus.

実際の用法で混同しないように注意しましょう。becauseならば「理由」の意味だけですが、sinceは「理由」か「以来」、asは「理由」とその他たくさんの意味があります。

なお、理由を示す接続詞として for があります。forはそれ以上に意味が多くなっています。  for は等位接続詞なので節と節の間に入り、前に来ることはありません。becauseと同様に新情報を導きますが、とりわけ、あとから理由を思い立った時に使います。 He got tired, for he worked hard. (彼は疲れました、というのは彼は一生懸命働いたからです) *For he worked hard, he got tired.

練習問題 : 次の文を日本語に直しなさい。

(1) Since we’re friends, we’ll share the cost.
(2) Since I was in the same class as Hanako, I know her very well.
(3) As you’re the oldest, you have to take care of your brothers.
(4) The shop is closed because it is late.
(5) As he wasn’t in the office, I left a message.

単独では使われないbecause

Becauseは接続詞であり、2つの文を結びつける働きがあります。そのために、単独で使われることはありません。 “I caught a cold.” “*Because I walked in the rain.” このように別々な文でbecauseが使われる場合は、非文となります。どうしても、I caught a cold because I walked in the rain.(雨の中歩いたので、風邪をひきました)と複文にして答える必要があります。

ただし、理由を聞く質問に対する答えの時だけ、becauseが単独で使えます。 “Why did you catch a cold?” “Because I did not wear a coat.” (なぜ風邪を引いたの? それはコートを着なかったからです)

because節は不可欠な情報を含んでいるので文全体が一体化と考えていいでしょう。主節とbecause節の間に、コンマを打つと、二つの文が切れて、不自然となります。通常は、becauseの前にコンマを入れません。


☞ sinceとasはやや硬い表現です。話し言葉ならばsoを用いて同じ意味を示すことも出来ます。As he worked hard, he got tired. → He worked hard, so he got tired.