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句動詞 (Phrasal Verb) とは

英語には句動詞(phrasal verb)と呼ばれる一群の動詞句がある。例えば、put off, make out, take awayなどである。これは、基本動詞であるput, make, take, come, goなどに、不変化詞(particle)とよばれるout, off, in, ofなどが組み合わさり、1つのまとまった動詞のように機能するのである。

「動詞副詞結合」とか「群動詞」と呼ばれることもある。書き言葉よりも話し言葉でよく使われる。この構造は造語力が強くて常に新しい句動詞を生みだしているのがその特徴である。

練習問題1 次の文を句動詞に注意しながら訳しなさい。

(1) He has not turned up.
(2) His car must have broken down on the way.
(3) The rainy season has set in.
(4) A fire broke out in my neighborhood last night.
(5) He turned off the television and switched on the light.

次のような動詞は句動詞だろうか?句動詞と似ているが、これは動詞に単に前置詞が接続しただけである(動詞+前置詞)。

(6) He was sitting on the comfortable sofa.
(7) She ran and jumped in a car.
(8) He looked at a computer screen.
(9) They listened to the radio on the table.

句動詞は比喩的な意味が強くなり要素を分解しても意味が分かりにくい。つまり一緒にまとまっている。そこから独自の意味が生まれてくるのである。それに対して動詞+前置詞は、分解しても意味が分かる。別々の存在である。

どのような句動詞があるのか。 多くは、動詞に不変化詞が1語加わった句動詞である。例として、look after, run after, send for, look into, wait for, go throughなどがある。また、不変化詞が2語以上加わったものとしてlook down on, come up with, keep up with, run away with, look up toなどがある。

さらには、bring to mind, pay attention to, catch sight ofのように形容詞や名詞が加わってイディオムとなっているものもある。

句動詞の固まりとしての特徴

句動詞は1つの固まりと考えられることができる。句動詞が一語として意識されることが多いことの証拠として、容易に名詞へと転換されることが挙げられる。例えば、句動詞のlook out, break out, take awayなどは、名詞形のlookout, breakout, takeawayなどとなる。→ turnup, breakdown, set-in, turnoff, switch-on

一方の動詞+前置詞の結合は一語として意識されることは少なくて、名詞化された語はほとんどない。*lookat, *jumpin などは不自然な結合である。

また、句動詞はひとかたまりとなって、受動文を作ることができるのも特徴である。

My sister will take care of you.(私の姉があなたの面倒をみるでしょう)。この文は、下線部をひとかたまりの動詞と考えて、SVO型と考えることができる。それゆえに、受動文はYou will be taken care of by my sister.(あなたは私の姉から面倒を見られるでしょう)のようになる。

これは、動詞+前置詞の結合である look atと比べると違いがよく分かる。 My sister looked at you. において下線部をひとかたまりの動詞と考えて、*You were looked at by my sister.とするのは不可能である。

句動詞の中の名詞を主語とする受動構文 句動詞の中の名詞を主語として受動構文にすることができる。ただし、やや古めかしい感じを与える。例は(a)→(b), (c)→(d)である。

(a) They took no notice of his warning. (彼らは彼の警告を気にかけなかった)
(b) No notice was taken of his warning.
(c) They should take great care of the sick and the aged.(彼らは病人the sickと老人the agedの面倒を見なければならない)→the + 形容詞・分詞はそのような人々を示す。
(d) Great care should be taken of the sick and the aged.

練習問題2 次の空所に適当な語を入れなさい。

(1) She is looking forward (   ) a letter from her husband.
(2) The police promised that they would look (   ) the matter.
(3) Every boy in the school looks up (   ) the headmaster.
(4) The new boy is getting (   ) quite well with the rest of the class.
(5) Leave it to me. I’ll see (   ) it.
(6) She is always finding fault (   ) her neighbors.
(7) It’s so cold here in winter that we can’t do (   ) an overcoat.

ゲルマン系とラテン系の語彙

句動詞はゲルマン系の語彙が多い。そして、対応するラテン系の語がしばしば存在する。両者には意味の違いが存在する。ゲルマン系の語彙ならば、簡潔で力強い感じがする。一方、ラテン系の語彙ならば、洗練されたいい方ですがやや気取った感じがする。

下の例を見ればそのことを確認することができる。カッコの中は、対応するラテン系の語彙である。

look down on (despise)
put up with (endure)
turn out (prove)
look after (take care of)
look up to (respect)
come about (happen)
bring up (raise)
call for (require) 
call off (cancel)
do away with (abolish)
give up (abandon)
make out (understand)
make up for (compensate for)
put out (extinguish)
take after (resemble)
turn up (appear)
put off (postpone)

アメリカ英語では、基本的な語彙、具体的な意味を持った語彙が好まれるので、句動詞がよく使われる。

練習問題3 次の空所に適当な語を入れなさい。右側のかっこ内の語はラテン系の語彙である。

(1) That accounts (   ) his absence. (=explain)
(2) I called (   ) my uncle last night. (=visited)
(3) This enterprise will call (   ) a lot of money. (=require)
(4) He finally got (   ) his illness. (=recovered from)
(5) Don’t be afraid; I’ll stand (   ) you. (=support)
(6) Does she take (   ) her mother? (=resemble)
(7) I was completely taken (   ) by her story. (=deceived)
(8) I won’t let you make fun (   ) me. (=ridicule)
(9) I want to make (   ) for lost time. (=compensate for)
(10) The United States of America is made (   ) of fifty states. (composed of)

目的語が代名詞の時

目的語が代名詞となったとき 多くの句動詞において、目的語が不変化詞の前に来ることも後ろに来ることも可能である。(a)と(b)はどちらの構文も可能である。しかし、動詞+前置詞の構文は(c)だけが可能で、(d)は非文となる。

(a) She called up Taro. (彼女は太郎に電話した)
(b) She called Taro up.
(c) She looked at Taro. (彼女は太郎を見た)
(d) *She looked Taro at.

(a)と(b)の違いはなんだろうか?これは情報構造(新情報と旧情報)の考えからは、(a)はTaroに焦点があり、Who did she call up?(彼女は誰に電話したの?)の答えと考えられる。(b)は call upという動作に焦点があり、What did she do?(彼女は何をしたの?)の答えと考えられる。

ところで、句動詞の目的語が代名詞の時は、(e)のように、不変化詞の前にのみ位置する。代名詞は旧情報なので、文末に来るのは不自然になるからである。

(e) She called him up. (彼女は彼に電話した)
(f) *She called up him.

さらには、リズムも関係する。英語では、強弱強弱のリズムが基本であり、(f)は、リズムの点からも不自然である。

文末重点や文末焦点の原則との関係

なお、目的語が不変化の前か後ろかという問題は、この場合目的語の長さや複雑さも関係する。文末重点や文末焦点の原則によって、長い語句の目的語は文末にくるとも考えられる。

(a) She picked up a couple of boxes containing old computer manuals.(彼女は古いコンピュータのマニュアルの入った2つの箱を拾った)
(b) ?She picked a couple of boxes containing old computer manuals up.

情報構造に関しては他の記事でも触れてあるので参照のこと。

 

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