Please を使うときは、自分に利益があるのか、相手に利益があるのか、という点に注意するべきである。それによって、please が使えたり、使えなかったりする。

一般には、自分(話し手)に利益があるときに、please を用いる。相手に対する命令文であり、やや口調を和らげる効果がある。

Will you please call me later? 「のちほど電話をしてくれますか」
Water, please give me some water? 「ウエイターさん、お水を頂けますか」
Please, don’t tell them. 「どうか彼らには黙っていてくれ」

しかし、相手(聞き手)に利益があるときは、please は使わない。

例えば、Have another sandwich. は「もう一つサンドイッチをどうぞ」という勧誘の文なのであり、強制する命令文ではないので、*Please, have another sandwich. とはならない。

LuckyLife11 / Pixabay

道を聞かれた相手に教えるときは、Turn right at the next signal. 「次の信号を右に曲がってください」であり、*Please turn right at the next signal. とはならない。同様に、Sign here. 「ここに署名してください」Take an aspirin for your headache. 「頭痛にはアスピリンを飲んでください」が普通で、please は付けない。

ただ、相手(聞き手)に利益があるときでも、口調を和らげて、Please, come in.「どうぞお入りください」Please feel free to ask me anything. 「何でもお願いしてください」のように使われることがある。

Please は日本人は多用する傾向があると言われている。英語は、「相手に取って有益なことはplease を用いた命令文を用いない」と覚えておきたい。