2016-03-12

TOEICテストの出題形式が一部変更となる。案内状には、昨今のビジネスコミュニケーションスタイルの変化に伴い、出題形式を一部変更する、と述べてある。ただ、今までの2時間かけて200問を解くという点とマークシート方式を用いるという点に関しては変化はないそうだ。

また、公開テストでは、今年の5月29日実施予定分から、団体特別受験制度では、2017年度以降に導入される予定だ。

内容の具体的な変更点は、「よりオーセンティック(Authentic, 実際的)なコミュニケーションを目指す」とある。近年はビジネスの場でも、チャットやテキストメッセージが広まっているので、それに対応した試験問題、また会話は3名以上の参加者も念頭に置いた試験問題、地図やグラフになどの視覚素材(Visual Image)と会話の情報を結びつける試験問題などを出題するのである。

ネット時代を反映して、現在のビジネスはメールやビジネスサイトを利用することが増えている。また、スカイプなどを利用して、遠くにいる人同士でも顔と顔をつきあわせて商談を行うことができる。それらを考えると、たしかに従来のTOEICでは対応しきれない面もでてくるようだ。

これらの新しい時代の動きを反映してのテキストの形式も変わっていく。下に読解の問題のサンプルを示す。この電子メールでは、各プロジェクトリーダーにトレーニングコースに参加するように呼びかけている。それを即座に理解できるかどうかを調べる問題である。発信者が James Pak となっていて韓国系の名前であるのは、現在TOEICの受験者の大半が日本と韓国の受験生であることを反映しているのあろう。

なお、Listening Session の発音はアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアの4か国の発音だそうだ。この点は将来はもう少し幅が広がるのかもしれない。インド人なまりの英語、中国人なまりの英語は将来音声テストでも使われるかもしれない。

新しいTOEICの読解の問題
新しいTOEICの読解の問題