SVOO型
SVOO型の文は 第4文型と呼ばれています。その構造は、S(主語)+V(述語動詞)+O(目的語)+O(目的語)で、「誰々に何々をする」をいう意味です。この型の動詞は授与動詞と呼ばれ目的語を2つ取るのが特徴です。目的語を2つとることから、動詞は2重目的語動詞(double-object verb)とも言われます。
目的語は、「誰々に」を示す間接目的語 (IO=Indirect Object)と、「何々を」を示す直接目的語 (DO=Direct Object)の2つがあります。
動詞のパターン
動詞のパターンですが、授与動詞は「~に与える・送る」という意味を持つgiveのグループと「~のために利益や恩恵を与える」という意味を持つbuyのグループに分類されます。
giveのグループには次のような動詞があります。それは、award, give, hand, lend, offer, pass, pay, promise, send, show, teach, tell, writeなどです。
(a) He handed the salesclerk the money.
(b) The girl lent her friend a new bicycle.
(c) He told his brother the story.
buyのグループには次のような動詞があります。それは、buy, call, cook, find, get, make, prepare, saveなどです。
(d) He built me a new house.
(e) He bought his daughter a dress.
(f) She found me a vacant seat.
第3文型(SVO型)との書き換え
SVOO型には、SVO型への書き換えが可能な文があります。giveのグループの文はSVO+to Oへと書き換えることができます。この場合、toは移動の到着点を示します。つまり、the money がHe から the salesclerk へ移動した、a new bicycle が The girl から her friend に移動したと考えて、(a)~(c)の例文は次のように書き換えます。
He handed the money to the salesclerk.
The girl lent her new bicycle to her friend.
He told the story to his brother. [the story も比喩的ですが、he から his brother へ移動したと考えます]
buyのグループの動詞はSVO+for Oと書き換えることができます。この場合は、forは利益の対象を示します。上記 (d)~(f) の例文は次のように書き換えができます。
He built a new house for me.
He bought a dress for his daughter.
She found a vacant seat for me.
間接目的語にtoと for の両方が付く動詞
SVO型に書き換えるときに、間接目的語にto とforの両方の前置詞が付くことが可能な動詞があります。その場合は、意味が異なります。toは「~に:到着点」、forは「~のために:利益」を表すので、意味が異なります。
(a) Bring the chair to me.
(b) Bring the chair for me.
(a)は「私のところまで椅子を持ってきなさい」、(b)は「私のために椅子を持ってきなさい」という意味になります。
(c) I left a letter for her on the desk.
(d) I left a letter to her on the desk.
(c)では、「彼女のために手紙を机においた」(彼女宛の手紙ではない場合もあり得る)という意味ですが、(d)では、「彼女へ手紙を机に置いた」という意味になります。
SVOO型における所有関係
SVOO型において、間接目的語が直接目的語を所有するという関係が成立することが多いのです。前述の例文He handed the money to the salesclerk.を見ると、handedすることによって、the salesclerkはthe moneyを所有することになります。
また、He bought his daughter a dress.では、boughtすることによって、his daughterはa dressを所有することになります。他の例文も見てこの点を確認しましょう。この点において、SVOC型では、O=Cという関係が成立することと対照的になります。He make his daughter happy. では、daughter=happy という関係が成立します。
受動文
SVOO型の文は目的語が2つあるので、受動文は2つの形が可能です。 下の例では、him, a big fortune のどちらの目的語も、主語の位置に持って行き受動文を作ることができます。
His uncle will leave him a big fortune.
(受動文1)He will be left a big fortune by his uncle.→Heが話題の中心
(受動文2)A big fortune will be left him by his uncle.→A big fortuneが話題の中心
この場合、上記の例文のように、「ひと」「もの」のどちらを主語にすることも可能ですが、一般的には「ひと」を主語にする方が自然です。
練習問題
次の文で間接目的語(IO)と直接目的語(DO)のそれぞれに下線を引きなさい。また、日本語の意味を答えなさい。
(1) The sun gives us light and heat.
(2) He should have spared me a few minutes.
(3) He taught himself French and Spanish.
(4) I will cook you something for lunch.
(5) John gave us several hundred books.
[…] 一般に、SVO型とSVOO型は書き換えが可能とされています。しかし、厳密に言うと、意味が異なります。どのように異なるか、情報構造の視点から見ていきましょう。 (a) I gave Mary a watch. ( […]
[…] ています。これは2つの目的語の間に所有関係が生じている、つまりIO(間接目的語)がDO(直接目的語)を所有している関係を示しているとも考えられます。このことは,次の二つの文の […]