英語にチャレンジする

pri- は一番目

2015-10-04

pri- という語で始まる英単語は多い。これは語源的に「始めに、前に、一番」という意味であり、そこからいろいろな語が生まれてきた。

アプリオリとは、a priori とは、先験的にという難しい哲学で使う表現である。a は「〜の状態で」prioriは「前に」の意味である。それゆえに、「先験的に、前もってある状態で」という意味になる。

pri- 「初めて、主要な」という語源からいろいろな語が一緒に覚えられる。

prince  第一人者 → 王子
princess  王子の女性形 → 王女
principal  先生の第一人者 → 校長先生
principle  第一の法則 → 原則、主要な

prima donna  第一の女性 → プリマドンナ (なお、donna は女性の意味で「私の女性」→ma + donna → madonnaマドンナ、さらにはmadame, mademoiselle マダム、マドモワゼルの意味が生じる)
prima ballerina  バレリーナの第一人者 → バレーの主役 

prime minister  → minister の中の第一人者なので総理大臣
primary school  第一番目の学校 → 小学校
primer  第一に読む本 → 入門書
primary industry  第一の産業 → 第一次産業(農業など) 

primitive  第一の状態 → 原始的な
priority  第一番目に優先されるもの → プライオリティ

このように見ていくと、pri- を「第一の」と捉えるといろいろな単語が統一的に理解できる。最後にプランタンという言葉をご存知だろうか。これはフランス語で「春」という意味である。printemps はprin + temps (テンポとあるように時の意味)と分解して、「第一の時」であるから春になる。語源を覚えると他のヨーロッパの国の語彙を覚えるのにも役に立つ。

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