英語にチャレンジする

フランス語の影響を受け継ぐSVO型


英語にはSVO型だけが可能な動詞とSVO型とSVOO型の両方が可能な動詞がある。
 
1. She told the whole story to my son.
2. She told my son the whole story.
3. She communicated the whole story to my son.
4. *She communicated my son the whole story.
上記では、tell では SVOO, SVO to O の2つの文型が可能なのに、communicate ではSVOだけが可能で、SVOOは不可である。
 
これらの2つの動詞はよく似た意味なのである。しかし、英語史を調べれば、起源が異なるようだ。tell (単音節語)はゲルマン系の語であり、もともとSVO型でもSVOO型でも使われていた。現在もその性質を引き継いでいるのだ。
 
一方の、communicate (多音節語)はラテン語起源で、フランス語を経由して英語に入ってきた。フランス語の動詞は語順は(SVO to O)の形だけである。
 
(ただし、厳密に言えば100%その通りになるとは限らない。フランス語では、communiquer son savoir à son fils (息子に知識を伝達したい)の例では、その通りになるが、Je lui ai communiqué mon projet.(彼に私の計画を伝える)のように、間接目的語が代名詞になると形式的には、SVOOの形になる)
5. We offered him the car at reduced prices. 
6. We offered the car to him at reduced prices.
 
offerもcommunicateと同じくフランス語から入ってきた語だが、SVOとSVOOの2つの文型が可能である。その理由は、offerは2音節語なので単音節からなるゲルマン系の語に似ているので、ゲルマン系と見なされて文法的な性質が移転したと思われる。
photo credit: Hugo-90 South Tacoma Motors via photopin (license)