未来形

未来を示す言い方には大きく分けてwill を使う場合と be going to を使う場合の2種類がある。ここでは、それぞれの用法について調べていく。

単純未来と意志未来 (推量、丁寧)

未来を表す形としてwillがよく使われる。もともとwillは「~をする」という意志を示していたが、意志することは未来に起こることなので、ここから未来を示す用法が生まれてきた。その用法から本来の「意志」の意味が薄れてできたのが「単純未来」である。「単純未来」は次のように使われる。
(1) The meeting will be held tomorrow.
(2) He will be writing a new book next year.
(3) We will be getting to Narita at 10:00.

ただ単純未来の用法に見えても、厳密にはやはり意志かそこから派生した推量の使い方が基底にある。次の例文を見ること。
When will you leave tomorrow morning? (明日の朝、いつ出発しますか[意志])
We’ll leave at four. (我々は4時に出発します [意志] )。
Then you’ll get to the summit just before sunrise.(それでは、あなた方は日の出の前に、頂上に着くでしょう [推量] )

☛willを用いた文で、tomorrow とか next year という未来を示す語句がある場合は、単純未来を示すが、それがない場合は話者の推量を示すことが多い。
He will go to New York. (彼はニューヨークに行くでしょう[推量])
He will go to New York next year.(彼はニューヨークに来年行きます [未来])
Where is she? She will be in the library.(彼女はどこですか。彼女は図書館にいるでしょう[推量])

丁寧の意味を示す推量

推量の意味から、丁寧の意味が生まれてくる。
How much do I owe you? (いくらになりますか)
That’ll be 760 yen. (760円と思います。→推量ですが、それによって丁寧を表します)
You’ll be Mr. Yamada, I presume?(貴方は山田さんだと思いますが)

未来を示す副詞節

未来を示す副詞節では、未来を示すのに will を使わない。次の(a)のif節の中は、論理的に確定的な条件を提示するためであるから、推量の原義を持つwillは使えない。あるいは、主節を見れば未来を示していると分かるので、従節においてわざわざ未来形にしないとも考えらる。しかし、(b)のように人の意志を示すwillならば使うことができる。
(a) If it rains tomorrow, I’ll stay at home. (雨が降ったら、家にいましょう)
(b) If you will help me, I’ll be very happy. (もし君が僕を助けてくれるつもりならば、僕はとても幸せだよ)

☛なお、be going toはif 節と一緒に使われない。

Will you…..? と Are you going to…?

相手の意志を尋ねるWill you…..?は、実質的には依頼の意味になる。一方のAre you going to …..?は、相手の意図だけを尋ねる表現として使われる。
Will you open the window? (窓を開けてくれますか)
Are you going to open the window? (窓を開けるのですか)
Are you going to walk to the office in this rain? You’ll get wet. (雨の中、事務所まで歩くのですか。ものすごく濡れてしまいますよ)
比較→ *Will you walk to the office in this rain?

be going toの用法

be going toの用法はwillと似ていて、どちらを用いても差がない場合があるが、一般にwillは主観的で自分の意志を示すと言われ、be going toは客観的に未来を想定していると言われる。その点を押さえてbe going toの用法を見ていく(江川:2006: 220)。

be going to には近い未来の予測の働きがある。be going to ~ とあるようにすでに進行しているというニュアンスがある。つまり、近いうちに何かが起こりそうな気配があり、その気配から判断して何かが起こりそうだという話者の客観的な予測を示す。
The sky is clouded over; I’m afraid it’s going to rain.(空は曇っている、雨が降りそうだ)
Look out! The milk is going to boil over. (気をつけて。ミルクが沸騰してこぼれそうだ)
I feel uneasy; I think something is going to happen soon.(何か不安だ。何かが起こりそうな気がする)

また、前もって考えていた意図を示す。その場で思い立ったことではなくて、前から考えていた意図・計画(客観性のある)などを表す。通例は近い未来を示す。
I’ve thrown away my ashtray. I’m going to give up smoking.(灰皿を捨てました。たばこはやめようと思っているので)
We don’t like this CD player. We’re going to sell it and buy a new one.(このCDプレイヤーは気に入らない。これを売って、新品を買おうと思っています)

be going toとwillの比較

be going toはすでに何らかの兆候があることを前提にした客観的な判断であるから、近い未来の予想を表すのが普通である。一方、willは話者の単なる主観的な予測で、近い未来でも遠い未来でも良い(江川2006:220)。
He is going to get better. (直に良くなるだろう→熱が下がったのか、食欲が出てきたかのようにすぐに良好になる兆しがあることを含意する)。
He will get better. (そのうちによくなるだろう→漠然といつとは言えないが、良好になるだろうと予測をしています)。

話し手の意志に関してですが、be going toは発話の時よりも前から考えていた意図を表し(進行形としてすでに進んでいる)、willはその場での状況に応じた意図を表す。There is no milk in the refrigerator.(冷蔵庫の中にはミルクはないよ)という発話に対して、次のような返事を考えてみましょう。
I’m going to get some today.(今日買ってくるつもりなのよ→買う計画が進行している)
I’ll get some today. (じゃあ、今日買ってきましょう→その場での判断)
また、There’s a phone call.(電話が鳴っているよ)の返事として、つぎのような例文を考えてみましょう。
I’ll answer it. (私が出ましょう→その場での判断)
*I’m going to answer it. (電話があることを予期して、自分が出るつもりであったことになり、不自然となります)

ここまでのまとめ

will →未来に対する単なる予測(遠いか近いかにかかわらず) その場での主観的な判断
be going to →すぐに起こりそうなことに対する予測(根拠があって客観的) 前もって考えていて、客観的な裏付けのある意図

練習問題1

下の各組で、不自然な文を指摘して、その理由を述べよ。
(1) He will sell his house.
(2) He’s going to sell his house.
(3) He will sell his house if you ask him.
(4) He’s going to sell his house if you ask him.

因果関係とwill/be going to

willは因果関係のある場合に用いられ、if節の結果を受ける文の中に使われる。be going toは一つの完結した文の中で使われる。(be going to ではすでに進行している、確定しているので、if 節と一緒に使われない)
(5) If she eats that apple, Snow White will die.
(6) Snow White is going to be the Prince’s bride.

be about to

be about toは未来のことを示します。
I was just about to go out when the phone rang.
be about toはbe going toよりも堅い言い方です。またbe going toよりも接近した未来を表し、多くの場合は、未来を表す副詞とともには用いられません。
We are about to enter the expressway. (もうじき高速道路に入ります)
We’re going to enter the expressway in a few minutes. (数分で高速道路に入ります)

be+to 不定詞

(7) We are to be married in June.
(8) The Prime Minister is to visit Japan next month.
(9) PRIME MINISTER TO VISIT JAPAN NEXT MONTH (新聞の見出し)

未来を表す現在進行形と現在時制

現在進行形と現在時制でも未来を表すことができる。ただし、その場合は未来を示す副詞が必要である。
(A)現在進行形:近い未来の個人的な予定を示すのに使われ、動作は現に進行中という感じで、その手配や約束ができているという含みがある。

(10) I’m leaving tonight. I’ve got my plane ticket.
(11) We’ve bought a new house and are moving in very soon.

(B)現在時制:確定的な未来の予定を表す。未来であってもすでに現在の一部と考えられている。個人よりも団体などの予定を表すのに使われる。現時点で決定しているという感じで、団体の予定であるから、よほどのことのない限りは変更の可能性はない。旅行社がこの用法をよく使う。

(12) We leave Tokyo at 11 p.m. and arrive in Kyoto at 8:30 a.m.
(13) What time does the ceremony start this evening?

練習問題2

どちらか適切なものを選べ。
(1) (Shall, Will) you please mail this letter for me?
(2) Let’s go and get some fresh air, (shall, will) we?
(3) I’ll let you know as soon as he (arrives, will arrive).
(4) Come this way, (will, shall) you?
(5) I’m not sure whether he (comes, will come) or not, but if he (does, will), I’ll be very happy.