pa (=食べ物)と語源を押さえておくと数々の単語を統一的に理解できる。

ラテン語では、食べ物を取ってくる者の意味で「父 」pater になった。(信長や秀吉の時代に活躍したバテレン=padre [伴天連]とはポルトガル語で神父のことである)

父のように見守ってくれるからパトロン・支援者(patron)であり、支援はpatronage となる。父が見せてくれたお手本からパターン(pattern)という語になる。父のように導くからpastor(牧師)の意味となる。 

父なる国を愛するがゆえに愛国(patriotic)や愛国心(patriotism)という語が生まれた。

ところで、ラテン系の p の音はゲルマン系では f の音になる。父は英語では father となる。(ドイツ語では、Vater である。vと書いてあっても発音はfである。「ファーター」の発音だ。フランス語ではpèreで「ペール」の発音だ)

話を英語に戻すと、p-f の対応関係があり、p で始まる語にも、f で始まる語にも「食べ物」の意味がある。food (食べ物)、feed (食べさせる)、foster(養う)、foster father (養父)という語がある。

英語ではパンの意味では、pan が使われることはなくて、bread が使われた。しかし、パンや食べ物の意味でpanが使われることがある。companion はcom(一緒に)+pany (パンを食べる)から「仲間」の意味になった。company (仲間たちで作った会社)や pantrym(食料の貯蔵庫)も同じ語源である。

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pasture は「草を食べる」から放牧するの意味になった。Pastoral Symphony は田園交響曲である。 

なお、ネットで見られる語源辞典として、Online Etymology Dictionary は非常に有益であり、上記のような知識が容易に入手できる。