2016-05-13

母音や子音には、聞こえ度・聞こえ(sonority)というものがある。聞こえ度とは、どれくらい遠くまで聞こえるかという度合いのことである。母音のほうが子音よりも聞こえ度が高く、母音の中でも低母音のほうが聞こえ度が高い。子音でも有声音が無声音よりも聞こえ度が高い。(1)から(7)の順番で聞こえ度が高くなる。

(1)無声子音
(2)有声破裂音
(3)有声摩擦音
(4)側面接近音・鼻音
(5)ふるえ音・はじき音
(6)狭母音(高母音)
(7)広母音(低母音)

ある単語を聞こえ度に基づいて、グラフを作ると、凹凸のグラフとなる。その山の部分を音節(syllable)と呼ぶ。なお、語を聞くと直感的に分解できると感じるが、そのくくりが音節に合致している。

一つの音節の中でグラフの頂点をなす音を、その音節の音節主音(syllabic)と呼ぶ。

子音には、母音で終わる開音節(open syllable)と子音で終わる閉音節(closed syllable)がある。母音をV、子音をCで表せば、book のようにCVC (閉音節)かgo のようにCV(開音節)のようになる。日本語はほとんどが開音節であるので、英語の閉音節の語も開音節で発音する傾向にある。

二重母音においては、前の母音のほうが強く発音されて、後ろの母音はそれに従属するので音節主音ではない。 

母音の代わりに、比較的に聞こえ度の高い子音を音節主音にし、その前後に1個以上の聞こえ度の低い子音を伴って音節を構成する場合がある。これを音節主音的子音と呼ぶ。例えば、英単語 needle (IPA: [niːdl̩])では、語末の [l̩] を音節主音とし、[dl̩] でひとつの音節が構成されている。英語では、[l] のほかに、[m]、[n]、[r] が音節主音になりうる。例として、prism, button, sddle が上げられる。

photo credit: She's so insensitive...... via photopin (license)
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