2016-03-08

アメリカのスポーツ選手がテレビのコマーシャルに登場して tennis と発音する時に、「テス」と聞こえた。このあたりのことを知りたくて、辞書でtennis の発音を探って見ることにする。

まず、スマホのジーニアス英和辞典(第4版)を調べると、/tenəs/となっている。音声を聴くと「テネス」と発音しているように聞こえる。スマホのウイズダム英和辞典(第2版)では、/tenɪs/となっていて、音声を聴くと「テニス」と発音しているように聞こえる。旺文社レクシス英和辞典(初版)でも、/tenɪs/となっている。これはスマホではないでの音声は聞けない。

なお、これらの発音記号はIPA(国際発音字母)を用いている。余談だが、私の大学院の時の音声学の先生はIPAを使わないで他の字母を用いていた。学者によっては、自分の考えからIPAを使わないで発音を説明する人がいる。このブログでは主として最も一般的なIPAを用いる。

下の画像は母音図では舌の位置を示している。tennis だが、tennis の部分/e/と日本語の「エ」の音とは近い。両方とも前舌母音である。さて、tennis であるが、/ə/の場合は、中舌母音である。日本語の「エ」は前舌母音であるから、高さは同じでもやや舌の緊張度が異なる。

/ɪ/で発音されている場合だが、日本語の「イ」では、舌がかなり前でかつ高い位置にある。緊張度も高い。図を見た感じでは、日本語の「イ」とも「エ」とも等距離にあり、どちらの音に似ているかと言われるとその場その場で異なるのだろう。要は、「イ」と聞こえる時もあれば「エ」と聞こえる時もある、というのが答えになろうか。英語ではshe などに使われる /iː/が日本語の「イ」に最も近いのだ。

なお、下の音声図は竹内真生子著2014年『日本人のための英語発音完全教本』アスク出版 p.246から引用した。

竹内真生子『日本人のための英語発音完全教本』アスク出版 p.246
竹内真生子『日本人のための英語発音完全教本』アスク出版 p.246